スクレイピング訴訟の体験記、スクレイピングは違法なのか?

落ち込むプログラマーの実情

スクレイピングとはWebサイトなどのデータをプログラムを使って自動で収集する技術のことです。私は数年前にPythonで株の情報を収集するスクレイピングプログラムを作成しました。

このプログラムが原因で、情報を収集したサイトに迷惑をかけ、訴訟を起こされそうになった経験があります。

スクレイピング自体は技術としてまったく問題ないのですが、使い方によって問題となる場合があります。私が経験した発信者情報開示請求対応について紹介します。

この記事の内容は実体験ですが、被害者の方や関係者に迷惑がかからないよう、多少フェイクを含んでいることをご了承ください。

この記事はこんな人におすすめ
  • スクレイピングを使いたいけど、違法なのかどうかわからず不安な方
  • 発信者情報開示請求を受けており、他の人の経験を知りたい人
  • 発信者情報開示請求の流れについて知りたい人

発信者情報開示請求を受けたときは、気が気ではなかったです。最終的にはなんとかなりましたが、みなさんはこんなことにならない様に注意してください。またすべてがこの記事の内容のように進まないと思いますので、ご認識の上お読みください。

スクレイピングで発信者情報開示請求を受けた背景

私は以前に株取引をしており、株取引の判断をプログラムで実施しようと株情報を集めるプログラムを作成しました。スクレイピングはサーバーに負荷をかけ、サイトの運営に影響を与える可能性があることを知っていましたので、サーバーは負荷がかからないようにプログラムは工夫して作っていました。

しかし、国内株取引から、アメリカ株取引に移行したため、国内株を対象としたスクレイピングプログラムが不要になりました。

せっかく作成したスクレイピングプログラムでしたので、他の人にも使って欲しいと考え、プログラムを販売できるサイトで販売することにしました。月に小遣い程度の利益になっていました。

ある日、販売していたプログラムが、株情報サイトの規約違反であると、プログラムを販売していたサイトから連絡がありました。その場で販売は停止されましたが、大した利益でもなかったので、まぁいいか程度にしか考えませんでした。

しかしそれから一ヶ月ほど経ったある日、プログラム販売サイトから発信者情報開示請求を受けたと連絡がありました。

発信者情報開示請求を受けてから

プログラム販売サイトからは、私の意思を尊重して開示拒否するならば、その方向で進める方針であることが伝えられました。また開示請求理由は教えられないとのことでした。

すぐに連絡がほしいとのことだったので、理由もわからず個人情報の開示には応じれないと伝え、その場では拒否することとなりました。

その後、しばらく空白の時間が流れましたが、発信者情報開示請求もよく知りませんし、自分が訴えられるのではと、気が気ではなく色々調べました。

発信者情報開示請求とは

掲示板やサイトにおいて、誹謗中傷を受けたり、著作権を侵害された場合、掲示板やサイトの運営者に対して、加害者のIPアドレスなどの情報の開示を求めることができます。これが発信者情報開示請求です。

IPアドレスが開示されれば、プロバイダに対して再度開示請求をして、プロバイダが契約者を特定し、請求者に契約者情報を開示します。

サイト運営者は、証拠不足などの理由から開示請求を拒否することができます。この場合、被害者(開示請求者)は裁判を通して再度開示請求することができます。裁判所が認めれば、サイト・プロバイダに対して法的な開示命令がされ、加害者の情報が開示されます。

裁判になった場合は、1年や2年かかることもあるそうです。

開示されれば、加害者は慰謝料賠償金を請求されます。私の場合、賠償金はサイト運営に影響を与えた度合いや損失額によって決まります。開示請求にかかった弁護士代や裁判費用もすべて請求されることになります。

私のケースでは、裁判を通して情報が開示された場合は、数十万~100万円程度は請求されるのではと考えました。(根拠はなく、完全に憶測です)

弁護士の友人に聞いた話

ネット上で見つけた、相談無料をうたっている弁護士事務所は、このケースでは相談NGと言われました(3社くらい)。運良く弁護士の友人がいたため、相談してみました。ありがたいことに親身に相談に乗ってくれました。

発信者情報開示請求は結構レアなケースらしく、その分弁護士費用も高くなる傾向があるとのことでした。

もっとも気がかりだったのが会社を解雇されてしまうことでしたが、民事であるため、会社にはバレることはないし、万が一バレても解雇されることはないそうです。解雇した場合は不当解雇になり、逆に会社が訴えられることになってしまいます。

ただし、賠償金が支払われず給与差し押さえなど、会社が絡んでしまった場合はバレてしまいます。また、インサイダー取引など犯罪がからんだ場合は、解雇になる可能性もありました。

とりあえず、私のケースでは会社にはバレそうにないので、不安が1つ解消されました。

再度、利用規約を見直してみると

開示請求があったときも、利用規約を確認し直しましたが、時間もなく気が動転していたので、規約違反を見つけることができませんでした。

少し落ち着いた頃に、再度確認し直したところ、コンピュータを使った情報を自動で収集する行為は利用規約違反であると明記されていました。スクレイピングとは書かれていないことがありますので、注意が必要です。

すでに非開示で連絡済みでしたが、プログラム販売サイト運営者には利用規約違反であることを確認し、認識不足で迷惑をかけて申し訳ないと思っている意思、今後同じことがないように気を付ける旨を伝えてもらいました。

被害者とのやりとり

しばらく経ったあと、プログラム販売サイトを通して、開示請求をしたサイト運営者からダイレクトメッセージが届きました。個人の情報は開示されませんでしたが、販売者に連絡を取る機能を使って連絡する手段が取られました。

名前と電話番号を連絡して欲しいとのことでした。この時点では自分に非があることを認めていたため、即要求に応じ、連絡先を伝えました。電話できる日を決めて、後日電話することになりました。

電話の内容

なぜこのような行為をしたのか、なぜ開示請求にすぐに応じなかったのかの質問を受けました。これまでに記載したような経緯を偽りなく答えました。

やはり推察した通り、コンピュータを使って情報を自動で取得する行為が利用規約違反とのことでした。

サイト運営者としてはスクレイピングされればすぐにわかるが、常識の範囲であれば個人の場合は黙認しているとのことでした。今回のケースでは販売しているため、利用規約違反をほう助し助長しているため看過できない。そのため、発信者情報開示請求に踏み切ったということでした。

今回のダイレクトメッセージに応じていなければ訴訟を起こして裁判となっていたそうで、もちろん費用はこちら持ちになりました。

電話の内容を踏まえて社内で検討してから最終的な処分を決定する。最悪損害賠償となることを覚悟してほしいと伝えられました。ただ開示請求に応じなかった経緯もわかったし、誠意的に答えてくれたので、なるべく穏便に済ませる方向で検討したいと、ありがたい言葉もいただきました。

その後、数日たって再度連絡があり、賠償請求はしないことが伝えられました。ただし、ある程度のペナルティは課せられました。

結論

今回はたまたま運が良くなんとかなりました。プログラム販売サイト、被害を受けた方、友人、みなさんに優しく助けていただき、とても感謝しています。

スクレイピングは技術としては問題ないが、スクレイピングの対象とするサイトによっては問題となります。しっかり規約や契約を確認し、少しでも不明点があれば運営者などに確認することがとても大事です。もし発信者情報開示請求を受けた場合、誠意的に対応することも大事だと思います。

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